GROUND
展覧会「GROUND」の目的は、「絵画」の可能性を提示することです。そのために、展示と対話を通じ、思考を巡らせて、絵画についての「課題」や「問い」を生産したいと思います。絵画や芸術における様々な既成概念に対し、決着をつけることを目的としているわけではありません。可能性は常にものごとの開発途上に、ときに刹那的に、あるいは必然をもって生じます。それらが投げかける「課題」や「問い」の始まりに注目したいと考えています。
近年、メディアの発達、多様化と進行する情報によって、絵画の存在感と役割が弱まってきているように思えます。だからこそ私たちは絵画の持つまだ見ぬものを提示し、具体的にその在り処を広げていきたいと考えています。そうすることが、これから先も、絵画が人々に創造する力、思考する力を与え続けると確信するからです。
しかし、一言で絵画といっても、絵画は多様であり、広義であるため、簡単に語ることは出来ません。ここに参加している作家の中にも絵画という言葉を使うことに慎重である人もいます。しかし、そうしたことを踏まえた上で、あえて「絵画」という言葉をここでは使うことにしました。そして絵画について対話をしようと思います。その未知なる可能性を信じて。
GROUND:1、なにも描かれていないキャンバスは、未だ手をつけられていない広大な大地に似ている。その土地をどう耕すのか、どう活かすのか。2、絵画が立脚、成立する場所。その場所は作家の数だけ存在する。それら異なる価値の場が、ひとつの大きな場に集められ重なるとき、絵画はそのまだ見ぬ可能性を語り出す。
2014年4月1日 小林孝亘、額田宣彦、丸山直文、高橋信行、猪狩雅則
GROUND 沿革
2014年4月 GROUND結成 メンバー:小林孝亘、額田宣彦、丸山直文、高橋信行、猪狩雅則
2014年7月30日 - 8月31日 第1回展覧会「GROUND」を愛知県立芸術大学サテライトギャラリー(名古屋)にて開催
2014年7月30日 シンポジウム「自作を語る-絵画を語る」を愛知県立芸術大学サテライトギャラリー(名古屋)にて開催 出演:小林孝亘、額田宣彦、丸山直文、高橋信行、猪狩雅則 司会:北川智昭
2016年5月 第1回展覧会記録集「GROUND 絵画を語る-自作を語る」刊行
2016年5月 中村麗がメンバーに加わる
2016年5月23日 - 8月21日 第2回展覧会「GROUND2 絵画を語る-見方を語る」を武蔵野美術大学美術館(東京)にて開催
2016年5月23日 武蔵野美術大学美術館(東京)にて「ギャラリートーク」を開催 出演:小林孝亘、額田宣彦、丸山直文、高橋信行、猪狩雅則 司会:中村麗
2016年6月25日 シンポジウム「見方を語る-たとえば落語から絵画は語れるか」を武蔵野美術大学美術館(東京)にて開催 出演:林家たい平、小林孝亘、丸山直文 司会:中村麗
2016年7月23日 シンポジウム「見方を語る-たとえば映画をみることと、絵画をみること」を武蔵野美術大学美術館(東京)にて開催 出演:額田宣彦、高橋信行、猪狩雅則 司会:中村麗
2017年3月 第2回展覧会記録集「GROUND 絵画を語る-見方を語る」刊行
2017年6月2日 - 7月2日 第3回展覧会「GROUNDα collaborative drawing - ぼくの土地にみんなで家を建てた」をナディフ(東京)にて開催
2017年6月2日 トークイベント「"ぼくの土地にみんなで家を建てる”ということ」をナディフ(東京)にて開催 出演:小林孝亘、額田宣彦、丸山直文、高橋信行、猪狩雅則 司会:中村麗
2017年6月 第3回展覧会カタログ「GROUNDα collaborative drawing - ぼくの土地にみんなで家を建てた」を刊行
事務局/〒480 - 1194愛知県長久手市岩作三ヶ峯1 - 114愛知県立芸術大学美術学部油画専攻猪狩研究室